
突然の相続でどこまでが相続人となるのか、対象者が良くわからない…。
法定相続分がどのくらいになるのかもはっきりしない…。
曖昧なままにはしておけないことですよね。
この記事では、様々なケースに合わせて相続人がどのように決まるのか、家系図を確認しながら分かりやすく理解することができます。さらに相続人となる人がどれだけ法定相続分があるのかも計算することができるようになります。
私は司法書士のお仕事で多くの相続に携わり、戸籍謄本を取得しながら相続人の調査をしています。
「誰が相続人になるの?良く分からない!」という方のために、家系図を色分けして分かりやすく解説していきますよ~。
相続人の範囲は配偶者+第何順位
大まかにイメージ図で示すと、相続人となるのはこの人達です。

相続の手続きでは、「亡くなった方」を「被相続人」と呼びます。一方、「被相続人の財産などを相続する人」を「相続人」と呼びます。
被相続人の周りにどんな親族がいたかによって誰が相続人になるかが変わります。
[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]第1順位とかそんなの分からない![/word_balloon]
と思われるのが当然なので、どんな人たちのことなのか。イメージ図が次の通りです。

- 第1順位 = 子どもグループ
- 第2順位 = 親グループ
- 第3順位 = 兄弟グループ
なんて風なイメージです。
配偶者が(いれば)絶対に相続人です。
配偶者に加えて第1順位の人たちが相続人になります。第2順位以下の人たちに出番はありません。
でも第1順位で相続する人がいなかったら第2順位の人たちの登場です。
おんなじように第2順位も誰もいなかったら第3順位の人たちの出番がきます。
配偶者はいつも相続人
配偶者がいれば常に相続人となります。法定相続分も最低でも1/2以上、つまり半分以上あります。
配偶者だけが相続する!なんてときには戸籍は次のものだけ集めれば大丈夫!
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 配偶者 | 現在戸籍 |
相続の世界では、配偶者は特別に手厚く保護された存在です。
しかしそれだけ手厚い配偶者ですから、配偶者として相続人になれるのはMAX1人です。
[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]配偶者(夫か妻)なんだから1人に決まってるじゃん![/word_balloon]
というもっともな声が聞こえてきそうです。要するに「離婚した元配偶者」は相続人にはなりませんよ、というだけのお話です。
配偶者がいる場合、いない場合の法定相続分の違いについては下のフローチャートで見てみてくださいな。誰が相続人になるかもこのフローチャートで分かりますよ。

亡くなったのが最近なら被相続人の最後の戸籍謄本が配偶者の現在戸籍も兼ねてますので、別にもう1通現在戸籍を取らなくても済みます。1通450円もかかりますから余計な出費は抑えていきましょ。
配偶者以外に相続人がいる場合には、上記に加えて戸籍が必要になってくるのでこれ以降の記事も見ていってくださいね。
内縁≠相続人
「内縁」の場合は戸籍上「夫・妻」などのように記載がされませんので、「内縁」は「配偶者」と認められず相続人となりません。
近年はいろんな場所で「内縁」と「結婚」を同じような取扱いにすることが増えました。しかし、相続はその辺については遅れていると言えるかもしれません。
相続人であるかないかは、戸籍の記載内容によって決められます。
[word_balloon id=”2″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]あれ?でも内縁の妻が財産をもらった話って無かったっけ?[/word_balloon]
[word_balloon id=”1″ position=”R” size=”M” balloon=”bump_2″ name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ありますね![/word_balloon]
遺言書で財産を渡すと書かれている場合には「内縁」でも財産を受け取ることができます。
あるいは、相続人がだーれもいない場合とかには「内縁であった者」が「特別縁故者」として財産を受け取れる場合があります。
[word_balloon id=”1″ position=”R” size=”M” balloon=”bump_2″ name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]どちらのケースにおいても、「内縁」は「相続人」になるわけじゃないんです。財産は受け取れますが。[/word_balloon]
子がいれば相続人。戸籍は少なめ(第1順位)
配偶者の他に、子どもがいるときは子どもも相続人となります。法定相続分は
- 配偶者が1/2
- 子ども全員合計で1/2
となっています。
子が相続する場合に必要となる戸籍はこんな感じになりますよ。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる子 | 現在戸籍 |
配偶者もいるのであればその分も忘れないように!
相続人になる子どもの範囲や種類について説明する前に、家系図でよく出てくる言葉の説明を少ししておきます。
- 直系卑属 = 子、孫、ひ孫など、家系図を縦に下る
- 直系尊属 = 親、じいちゃんばあちゃんなど、家系図を縦に上る
- 傍系 = 兄弟姉妹、おいっこめいっこ、おじさんおばさんなど、家系図で横移動する
直系卑属と直系尊属を合わせて「直系」なんて言い方をします。
相続の世界では直系がひいきされ、傍系はおまけに扱われる法則があります。
イメージ図で見るとこんな感じ。

子どもらグループに3人いますが、被相続人に近い人からもらう権利があるので「長男」と「長女」が相続人になります。「孫」は「長男」がストッパーになってるので回ってこないんですね。次の図を見てみましょう。

「1/2」をはんぶんこして「1/4」&「1/4」になります。もし3人兄弟だったら「1/2」を3等分して1人「1/6」ずつですし、6人兄弟だったら「1/2」を6等分して1人「1/12」ずつ、みたいな感じです。均等に分けます。
一昔前は、「(認知された)非嫡出子は、嫡出子の相続分の1/2」という条文もありましたが今は無くなりました。認知された非嫡出子とは、戸籍に父(被相続人)の子である記載がある婚外子、とかですね。
「養子」も「実子」とおんなじ扱いです。
少し注意が必要なのが配偶者の婚姻前の子、いわゆる継子ですね。この辺はややこしいんですよ。

この図のように、「配偶者の継子」は「①第1順位(子どもグループ)」に含まれません。戸籍上では、「配偶者の子」ではあっても「被相続人の子ではない」という状態なのです。
「配偶者の継子も、自分の子ども同じ大切な子なんだ!」
という思いがあるのであれば、「配偶者の継子」と養子縁組することで実子と同じように相続人となることができます。

養子縁組をすれば、長女と継子が均等に分け合うので「1/4」ずつとなります。
子が先に亡くなっていたら子の子(孫)が相続(代襲相続)
子どもがいたんだけど不幸にも子が先に亡くなってしまうようなケースもあります。その場合には「子の子(孫)」が「子」が相続するはずだった分を代わりに相続することができます。
代わりに相続するので、こういう形を「代襲相続」と呼びます。
代襲相続をする場合には必要な戸籍の種類が変わりますので注意が必要です。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる子 | 現在戸籍 |
| 亡くなっている子 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 代襲相続する孫 | 現在戸籍 |
代襲相続のイメージ図は次のような感じに。

「長男」が生きていれば「1/2」もらってたのですが、いないので長男の分を「孫」が相続をします。
[word_balloon id=”1″ position=”R” size=”M” balloon=”bump_2″ name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]前前前世もびっくりなほど、いくつ続いてもOKです。現実にはほとんどないですけどね。[/word_balloon]
「子の子」だったら「代襲相続」しますが、やっぱり「継子」についてはややこしさが再登場です。この「代襲相続」のルールは正確に言うと「直系卑属は代襲相続する」という決まりなので、

「長男が父であると戸籍に記載されていない子」は「被相続人の直系卑属」ではなく、「代襲相続」ができません。
これも養子縁組をしていれば実子と変わらない扱いになるので「代襲相続」できるようになります。
親が相続なら、戸籍は少し増える(第2順位)
子が全然いないようなときには「②第2順位」の親グループの人たちが相続人です。
被相続人より上の世代の人たちは、子よりも少し扱いが悪くなります。法定相続分は
- 配偶者は2/3
- 親たち全員合計で1/3
てな具合です。
親が相続する場合に必要となる戸籍は次のようなものです。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (子らが亡くなっている場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる親 | 現在戸籍 |
親が相続人になるケースをイメージ図で確認してみましょう。

「被相続人」から近いところに「父」と「母」がいますので、個人の法定相続分は

こんな感じになりますね。「父」と「母」ではんぶんこして「1/6」ずつです。
親が亡くなっていた場合には、子どもの「代襲相続」と少し違う結果になりますのでイメージ図を見ていきましょう。

「母」が先に亡くなっていた場合、上の世代のグループの人たちは、子よりも少し扱いが悪いので
「父」がいるなら「母」の代わりの代襲相続は認めなくてもいいよね^^ という扱いになります。
「②第2順位」は「父」だけが相続人となるので、親たち全員の分である1/3がまるまる「父」の法定相続分となります。
「父」「母」ともに亡くなっている場合には「祖父」「祖母」の出番があります。

もし父方の祖父母も健在であれば、全員の人数で「1/3」を均等に分けることになります。
さらに「両親」も「祖父母」も先に亡くなっているが「曾祖父母」がいる…
なんていう魔道とか仙術とかそういう領域が疑われるような元気な方がいれば「曾祖父母」が相続人となる、なんてこともありえなくはないです。めちゃくちゃレアなケースですけどね。
祖父母が相続人となる場合に必要な戸籍はこんな感じになります。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (子らが亡くなっている場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 亡くなっている父、母 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる祖父母 | 現在戸籍 |
兄弟しかいないと戸籍はすごくたくさん(第3順位)
子どももいない!親ももういない!そこまでの状態になって始めて兄弟姉妹が相続人として出てきます。民法っぽく言うなら「①第1順位」「②第2順位」どっちも0人である場合ですね。
ようやく「③第3順位」の兄弟グループですが、「直系がひいきされ、傍系はおまけ」に扱われる法則がありますので法定相続分は
- 配偶者は3/4
- 兄弟姉妹全員合計で1/4
という感じ。実に75%が配偶者のもので兄弟にはあんまりまわってこないのです。
兄弟姉妹の相続で使う戸籍はとにかくたくさんあってもう大変です。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (子らが亡くなっている場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 亡くなっている父、母 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (祖父母が存命の可能性がある年齢である場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる兄弟姉妹 | 現在戸籍 |
恒例のイメージ図を見てみますと、

こんな感じで、「被相続人」に近いのが「姉」「兄」なので法定相続分は…

またはんぶんこずつにして「1/8」ずつです。子どもが相続する場合、親が相続する場合、兄弟姉妹が相続する場合と全部同じパターンなので、そろそろ予想できたのではないでしょうか。
兄弟姉妹の場合には、「父か母のどちらか片方だけ同じ兄弟姉妹」というケースが起こり得ます。
これは言葉よりも、イメージ図で見てみましょうね。

この異母姉も「兄弟姉妹」なんですけど「父」は同じだが「母」は違います。
子どもの世界では、「嫡出子と非嫡出子の法定相続分は平等!」とされましたが、ここはもう「おまけの傍系」の世界です。
そのため、父か母が異なる場合には「両親が同じ兄弟姉妹」の半分だけが法定相続分となります。
イメージ図で見るとこんな感じに。

人数が増えた場合も「父か母が異なる兄弟姉妹」の法定相続分は全員半分となります。
いわゆる資格試験でもここまでは突っ込まれることは少ないので、ひっかけ問題に最適だと思います。
兄弟姉妹が先に亡くなっていたら甥姪が相続
「おまけの傍系」はだいぶ扱いが悪いですが、そんな傍系に認められた数少ないオプションが「代襲相続(1)」です。(1)って何かというと使用回数です。1人1回しか使えません。
兄弟姉妹が先に亡くなっていたのであれば、その子である甥姪が相続人となります。
甥姪が相続人となるケースまで行くと必要な戸籍の量も増えに増えます。
| 被相続人 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (子らが亡くなっている場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 亡くなっている父、母 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| (祖父母が存命の可能性がある年齢である場合) | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる兄弟 | 現在戸籍 |
| 亡くなっている兄弟 | 生まれてから亡くなるまでの戸籍全て |
| 相続人となる甥姪 | 現在戸籍 |
実際に代襲相続を使ってみるとこんな感じになりますね。

「兄」が亡くなっていたのでその分は「代襲相続」が発動します!「兄」の相続分は「姪」が代わりにもらいます!という効果が出ました。
「兄」の子が3人くらいいた場合であれば、「1/8」を3人で分けて「1/24」ずつになります。
「代襲相続(1)」は「兄」が発動すると兄の子全員に効果があります。(1)は一子相伝の(1)ではないので間違えないようにしましょう。
「代襲相続(1)」は1人1回しか使えないので、姪が亡くなっていても「姪の子」はもう「代襲相続」せず相続人となりません。その場合、兄弟姉妹全員の分1/4がまるまる姉の法定相続分となります。
甥姪が相続人となるケースまで行くと必要な戸籍の量も増えに増えます。
まとめ
相続人となるのは配偶者+各順位の人たちです。第1順位が優先し、それ以後第2順位、第3順位と続いていきます。
法定相続分はどの順位の人が相続人になるのかによって大きく割合が異なり、順位内では代襲相続をしていない限り人数で頭割りとなります。

ぶっちゃけこのフローチャートに当てはめれば誰が相続人になるのかは大体わかります。
必要となる戸籍は第2、第3順位と進むほどに量が増えていきます。実際に手続きを進める上では、必ず必要となる被相続人の戸籍を集めていき、戸籍の取得と相続人の調査を並行して進めていくことになります。
戸籍はどうやって取ればいいのさ!?という人は「本籍地以外で戸籍を取る?4つの方法からベストな方法を教えます。」で詳しく説明しているので見ていってくださいねー。

