書き方のコツを押さえて自分で簡単に遺産分割協議書を作る!

相続の手続きで銀行口座を解約しようとしたら、遺産分割協議書を作ってきてくださいと言われた!
でもどうやって作れば良いのか、書き方が分からない!

そんな悩みはないでしょうか。

この記事では遺産分割協議書のひな形を用意しているほか、書き方の大事なコツを伝授しています。コツを押さえることで色々な種類の財産の分け方について自分で書けるようになります。

普段仕事で遺産分割協議書をいくつも作っている司法書士が具体的に説明していきます。

一番大事なコツは明確に書くこと!

書き方ははっきりと!誰が見ても明確に!それが大事です。読む人によって別の意味のようにも見える書き方はしてはいけません。

遺産分割協議書って名前からしてとても難しそうだと思いますよね。でも、実は財産をどうやって分けるのかは、こうやって書かないといけないという決まりは無いんです。

明確に書くというポイントさえちゃんと押さえておけば、あらゆる財産について分割方法を自分で書くことができます。

ひな形を使って最低限の形式だけ守ろう

そうは言ってもゼロから作るのは大変だし、何から書いていいのか困りますよね。そこで、テンプレートを使って必要な部分を自分に合わせて書き換え、追加する財産があれば自分で書き加えていく方法がオススメです。

印刷する用紙は普通紙で大丈夫です。用紙の大きさにも特に指定はありませんので、A3用紙に印刷しても良いですし、A4用紙に裏表印刷してもオッケーです!

ただし、複数枚の用紙に分かれる場合には、割印をしておきましょう。やり方は次のようなものがあります。

割印1

割印2

どちらの方法でも大丈夫です。しかし、余計に手間がかかってしまうので、できれば紙1枚でまとめてしまいたいですね。割印は実印で押しましょう。

あまり細かく書くことがない方であればA4用紙で足りるでしょう。色々書くのであればA3用紙の方が安心です。そこでどっちもテンプレートとして用意しました。

A4サイズ

遺産分割協議書1(不動産、預金、投資信託、株式)(換価して分ける)

遺産分割協議書2(不動産、預金、株式、車)(現物・口座毎に分ける)

A3サイズ(項目はA4と同じ)

遺産分割協議書1

遺産分割協議書2

ひな形を書き換えて遺産分割協議書を作ろう

それでは上記のテンプレートを使って遺産分割協議書を作っていきましょう。最初から順番に書き換え方を説明していきますよ。

一番最初の「遺産分割協議書」というタイトル部分はそのままにしておいてください。私のテンプレートでは【このカッコがついている】ところをあなたに合わせて書き換えれば完成するようになっています。

被相続人の情報は住民票の除票のまま書く

誰の相続でこの協議書を作ったのかを最初にはっきりとさせておきます。タイトルの次の部分を書き換えていきましょう。

被相続人の情報

ここで書く氏名などの情報は全て、亡くなった方の住民票の除票に書いてあります。それをそのまま入力しましょう。住民票の除票は亡くなった方の住んでいた市区町村の役所で取ることができますよ。

全員で決めました!と宣言しちゃう

遺産分割協議書は、相続人全員で決めて作らないとダメな書類です。誰か一人忘れてましたーとなったら無効です。なので、「全員で決めたんですよ!」ということを書いておかないといけません。

それが次の部分ですね。

全員での協議

ここはちょっと注意です。

相続人全員というのは、「私は財産はいらないよ。」という人も含みますので、いらないって言ってたからという理由でここに名前を書かないと、また作り直しになります。

ややこしいのですが、家庭裁判所に相続放棄の申述をした人は名前を書かなくて平気です。むしろ書いちゃうと困るくらい。

相続の手続きをするときには戸籍謄本の束も必要になりますから、戸籍謄本の中身をちゃんとチェックして、相続人の書き忘れがないようにしてくださいね。忘れたら作り直しですよ。

戸籍謄本をまだ集めていないという方は、「本籍地以外で戸籍を取る?4つの方法からベストな方法を教えます。」の記事を参考にしてください。

財産は「誰が」「何を」「どうする」を明確に。

ここからが書き方に決まりがないゾーンです。よくある財産の例はテンプレートにも入っていますが、例えば宝石ですとか、絵画とかであっても、こういう宝石であるとかこういう絵画であるとか詳しく説明して明確にしておけばオッケーです。

自由に書こうと言われても戸惑ってしまいますので、代表的なものの書き方を説明していきますよ。

不動産の書き方の例

よくあるけど書き方に意外と困るのが不動産です。家とか敷地とか畑とか、そのような書き方でも意味が伝わると思いがちですが、そこは以下のようにきっちり書いていきましょう。

不動産の書き方

不動産のこれらの情報は全て、不動産登記事項証明書に書いてあります。まだ取得していない人はネットからでも取れるので、「土地・建物の登記事項証明書を取る1+3の方法。ベストな方法はこれ!」を参考に取ってみましょう。不動産登記事項証明書のどの部分を見ればこれらの項目が書いてあるのかも画像で説明しています。

不動産を売却せずに相続したい場合には遺産分割協議書2の方を使ってください。換価代金を分けるのと現物取得を組み合わせたい場合には、それぞれからコピーしてくれば大丈夫です。

預金の書き方の例

預貯金については相続人で分けることもできますし、口座毎に相続人が取得することもできます。相続人で分ける場合の例で見てみましょう。

預金の書き方

預金種別は「普通」とか「定期」とかのことです。

ゆうちょ銀行は他の金融機関と違うのでテンプレートでも別にしています。預金種目は「通常貯金」や「通帳貯蓄預金」などのことですね。口座番号の代わりに記号・番号となっています。

3つで足りない場合にはコピーして貼り付け、全ての金融機関を書いておきましょう。

口座の中から一定額だけ相続するのであれば次のように書くこともできますよ。

【金融機関名】【支店名】【預金種別】口座番号【口座番号】の預金から100,000円

分割する割合を相続人ごとに違う割合で指定することも可能です。こんな感じですね。

下記の預金を相続人Aは2分の1、相続人B及び相続人Cはそれぞれ4分の1の割合により取得する。

株式や投資信託の書き方の例

その他の財産についてもはっきりと分かる形で書いておけばオッケーです。株式の方から確認します。

株式の書き方

続いて投資信託も簡単に確認しておきます。

投資信託の書き方

これらの財産も、一人が相続したり複数人で換価代金を分けたりすることができます。

どのくらい株式や投資信託があるのか、残高照会するときに資料をもらっておき遺産分割協議書には詳しく書きましょう。

車の書き方の例

車についても、「亡くなった人が持ってた車は一台しかないから、車って書いておけば良いだろう。」なんてことは言わずに番号で明確にしておくべきです。

車の書き方

もちろん車を売却したうえで代金を分けると書くこともできます。

その他の財産ひとまとめ

重要な財産だけ具体的な分け方を書いておき、残り全てはAさんが相続する、というような書き方もできます。

第7条 その他の財産は全て【相続人A】が取得する。

しかし、この書き方ですと想定してなかった財産もAさんが相続してしまう場合もあるので、できるだけ個別に指定した方が安心です。

最初から全財産を一人が相続することに決まっているのであれば、全ての財産を取得すると書くこともできますね。

第1条 相続財産は全て【相続人A】が取得する。

また、遺産分割協議書の決まり文句として、後日新たに財産が見つかった場合のことを決めておくと良いでしょう。

第8条 後日、新たな遺産が発見された場合には、当該遺産の分割について別途協議をする。

この書き方は、今回の協議書の内容はキープしたまま新たな遺産についてだけまた協議書を作りますということです。何度も協議書を作りたくはないのであれば、「特定の相続人が取得する」という書き方もできます。

ただし、後日借金が見つかった場合に特定の相続人が借金を背負うことにもなってしまうので、「別途協議をする」としておいた方が良いでしょう。

最後は住所氏名に実印を添えて

なんだかオシャレな料理の名前のようになりましたが、遺産分割協議書の最後には住所氏名を書き、実印を押さなければなりません。実印を押したら印鑑証明書もセットにしておきましょう。

住所氏名はWordなどで入力してしまっても構いませんが、財産の分け方を決める重要な書類ですので手書きで書くことをオススメします。

最後の署名も相続人全員がする必要があります。財産がいらない人も必要です!相続放棄をした人はいりません。

まとめ

預金や不動産、株式に投資信託、車といったものは遺産分割協議書を作らないと相続手続きができません。事細かに全ての財産を記載することまではしなくても、これらの重要な財産については協議書を作っておきましょう。

テンプレートを使って基本の形さえ押さえておけば、財産の書き方にはある程度自由があります。できるだけ詳しく書くことで後で疑義のない明確な遺産分割協議書を作りましょう。

自身で作ることが難しいと感じたのであれば、司法書士のような専門家に依頼することもできますので検討してみてください。

//ptengineのコード