相続手続きが大人数なら遺産分割協議書よりも遺産分割証明書が便利
相続手続きをするために、遺産分割協議書ってものを作らなきゃいけないみたいだ。どうやって作ったら良いのだろう?
こんな風に遺産分割協議書でお困りではありませんか?
この記事では、相続人が多い、遠方に住んでいる相続人がいる場合に便利な遺産分割証明書について説明しています。遺産分割協議書を作るよりも少し楽に済むかもしれません。
相続登記を始め相続の手続きに色々関わっている司法書士が解説します。
人数が多い、遠方の人がいるなど全員集まるのが困難なら遺産分割証明書が便利
相続人の人数が多かったり、遠方に住んでいる人がいる場合などには、遺産分割協議書を作るよりも遺産分割証明書を作った方が簡単に済むことが多いです。遺産分割証明書は、不動産の登記や口座解約手続きなどでも必要になる遺産分割協議書と効果は全く同じです。
では何が違うのでしょう?
作る枚数 | 署名と実印 | 印鑑証明書 | |
遺産分割協議書 | 1枚 | 全員が1枚に署名・実印 | 全員必要 |
遺産分割証明書 | 相続人の人数と同じ枚数 | 1枚に1人署名・実印 | 全員必要 |
遺産分割証明書は持ち回りの必要がないから早くて便利!
具体的にどう便利なのか具体例で考えてみましょう。親が亡くなり相続人となった5人兄弟AさんBさんCさんDさんEさんがいたとします。
兄弟は互いに電話で連絡を取り合い、財産を均等に5等分することに決めました。それぞれ別の場所に住んでおり、仕事もあるので全員で集まることはできません。そこで郵送を使って書類を作ることにしました。
遺産分割協議書を作ろうとした場合
代表してAさんが遺産分割協議書を作りました。後は全員が署名して実印を押せば完成です。Aさんは遺産分割協議書をBさんに郵送し、Bさんは署名捺印が終わったら次のCさんに郵送、CさんからDさん、DさんからEさんまで行ったら最後にAさんに完成した遺産分割協議書が戻ってくるという手順です。
図にしてみるとこんな感じですね。
これだと結構時間がかかります。受け取ったらすぐに署名捺印して次の人に送っても1週間以上はかかるでしょう。しかも、途中で書き損じしてしまったり、協議書を汚してしまったりした場合には最初からやり直しになる可能性もあります。
遺産分割証明書で作る場合
代表してAさんが5枚の遺産分割証明書を作りました。Aさんは自分の分に署名捺印して、残りの4枚をBCDEさんに1枚ずつ送ります。BCDEさんは届いた遺産分割証明書に署名捺印してAさんに送り返せば遺産分割証明書は完成です。これを図にするとこんなイメージになります。
こちらの方が短時間で完成します。また、例えばCさんが遺産分割証明書を汚損してしまった場合でもCさんの分だけ作り直せば大丈夫です。
遺産分割証明書の作り方
遺産分割証明書の作り方は、遺産分割協議書の作り方とほとんど同じです。一部記載が異なることと、署名捺印が1人ずつになっているだけです。遺産分割証明書のテンプレートをこちらに置いておきますので、亡くなられた方の情報や財産の分け方の部分を書き換えてご利用ください。
A4サイズ 遺産分割証明書1(不動産、預金、投資信託、株式)(換価して分ける) 遺産分割証明書2(不動産、預金、株式、車)(現物・口座毎に分ける) |
A3サイズ(項目はA4と同じ) |
テンプレートだけ遺産分割証明書のものを使えばあとの書き方は同じです。相続人全員の印鑑証明書が必要となるのも同じですから忘れないようにしてくださいね。
まとめ
遺産分割協議書と遺産分割証明書の効果は同じです。相続人の人数が多かったり、遠方に住む相続人が多い場合には遺産分割証明書を作った方が早く完成させることができ、間違った場合の修正も簡単です。遺産分割証明書の書き方は基本的に遺産分割協議書と同じですので、テンプレートを活用して作りましょう。
自分で作ることが難しいと感じた場合には、司法書士のような専門家に依頼することも可能ですよ。
NEW
-
query_builder 2023/06/09
-
2020年度の司法書士試験の会場
query_builder 2020/07/12 -
武蔵浦和周辺の司法書士情報【2020年版】
query_builder 2020/05/29 -
事務所サイトをリニューアルしました。
query_builder 2020/04/13 -
遺言書の種類は主に3種類!どれを作れば良いか
query_builder 2018/12/07